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失敗の本質
十五年戦争の日本軍の失敗を分析した書籍である。ノモンハン事件やミッドウェー海戦、インパール作戦などを取り上げる。本書の優れた点は個々の戦場の分析に特化していることである。このために、そもそも巨大な米国と戦うことが無理であったという逃げに走らずに済む。たとえ米国に勝つことが無理ゲーであったとしても、個々の戦場で日本軍は明らかに無駄な戦い、稚拙な戦いを展開して兵力を消耗した。その失敗に学ぶことは教訓になる。むしろ戦争目的が正しいか否かという大きな議論以上に日常生活における決断の局面では役に立つだろう。
本書を読んで感じたことは、日本軍の失敗が現代の公務員的な無能と重なることである。失敗を重ねた軍人のメンタリティは、責任逃れを重ねる無能公務員のメンタリティに重なる。現代の日本は戦前の反省を活かせていない。これは恐ろしいことである。
対策としては、情報共有の徹底になるだろう。
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【2018/06/19 08:10 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
1型糖尿病をご存知ですか
宮川高一『1型糖尿病をご存知ですか』は1型糖尿病を紹介した書籍である。糖尿病には1型と2型がある。糖分の摂り過ぎなどでなるのは後者である。
1型はウイルス感染などを契機として自己の免疫システムが自己のインスリン分泌細胞を攻撃し、破壊することにより起きる病気である。本人の生活習慣や肥満とは無関係である(16頁)。本書はインスリンを摂取すれば非糖尿病患者と変わらずに生活できるため、1型は一つの個性と主張する。しかし、この点が知られておらず、1型糖尿病患者は社会の偏見などに苦しんでいる。私も本書で1型糖尿病を知った。
本書の特徴は医者の書籍であるが、患者や家族のブログ記事や手記を収録していることである。それによって医者だけの書籍では感じにくい患者や家族の思いを知ることができる。
興味深い患者の取り組みとして、患者をロールプレイングゲームのレベルで呼びあっている。たとえば発症から10年経った患者はレベル10である(144頁)。生き続けようとする意欲が湧いてくる。
【2018/06/18 17:56 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
樅ノ木は残った中巻
山本周五郎『樅ノ木は残った』中巻。原田甲斐は敵を欺くには味方からを実践している。この原田甲斐の姿勢では味方を失っても仕方がない。甲斐としては自分が犠牲になればよいと覚悟し、多くの人を巻き込みたくないのかもしれない。柿崎のような胡散臭い人物には容易に腹の内を空かさないことは当然である。一方で昔ながらの人物も膝詰めで談判し、自分には腹の内を明かしてくれるだろうという内々の特権意識が感じられる。甲斐には現代的なリーダーの資質であるビジョンの共有や透明性に欠けていると感じたが、周囲もどっちもどっちである。
甲斐と伊達兵部の対決であるが、甲斐の動きは見えにくく、対決そのものではない日常描写もあるため、兵部のターンの方が読み応えがある。さらに甲斐とも兵部とも異なる立場の脇役のターンもあり、これが人情物の要素が色濃い。物語の展開を早く読みたい向きには異論があるだろう。
話が進むにつれ、藩内の御家騒動という以上の陰謀が見えてくる。江戸幕府と外様大名というスケールの大きな話になる。甲斐の消極性はじれったく感じられるが、藩内に紛争を起こすこと自体が敵の狙いであるならば意味がある。
【2018/06/15 18:58 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
中野相続裁判さいたま地裁
日本海賊TVで中野相続裁判さいたま地裁を取り上げた。中野相続裁判さいたま地裁第2回口頭弁論が6月22日に埼玉県さいたま市浦和区のさいたま地方裁判所で開かれる。
中野相続裁判は東京都中野区に住んでいた被相続人の相続紛争である。紛争の過程で被相続人の長男が無断で経管栄養の流入速度を速めたり、治療を拒否したりしたことが明らかになった。高齢者虐待につながる社会的意義のある裁判である。
裁判前に長男の弁護士が長女に対して「長女に遺留分はない」と書いてきた。番組では、弁護士としてありえない主張と強く批判された。法廷では通用しない主張であるが、弁護士が書いたものと盲信して騙せればラッキーという主張である。相手の無知につけこむ理屈である。まともな弁護士ならば依頼人の無理筋の主張を説得するものではないか。現代ではブラック弁護士が問題になっている。
経管栄養の流入速度を速めたことは問題である。相続から排除されても不思議ではない。
【2018/06/15 17:46 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
ユーキューホルダー
不老不死となった少年を描く少年漫画である。第1巻は丸々導入部である。物語の本筋に入っていない。
未来の日本の物語である。軌道エレベーターがあり、魔法が使える世界である一方、人口が減少し、過疎化が進んでいる。主人公の暮らしている地域は、のどかな田舎である。
主人公は鈍感なほど前向きという典型的な少年漫画の主人公タイプである。読んでいて恥ずかしくなるくらいである。今時の作品ならば、もう少し影があったり、ひねくれていたりする方が自然である。何故ならば前向きに頑張れば何とかなるという発想こそが個人に負担を押し付け、個人を苦しめる傾向になっているからである。それでも複雑な事情を背負ったキャラクターに対しては、主人公の鈍感な前向きさが救いになっている。
第2巻は物語の本筋に入っていく。主人公達は地上げ屋の手先から住民を守ろうとする。人々の生活を破壊する地上げ屋は敵勢力にふさわしい。
【2018/06/12 20:17 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
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