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南方十字星
山本周五郎『南方十字星』は少年向け海洋冒険小説の短編集である。
節の末尾などの地の文が「彼らの運命は?」などの煽り文句で終わっていることが多い。漫画雑誌のような感覚である。漫画雑誌は担当編集者が枠外に書くが、本作品は本文に入っている。
「囮船第一号」は日本海軍の最新鋭の戦艦として豆戦艦が登場する。普段は漁船などにカモフラージュされる程度の規模であるが、戦闘機も一台格納されている。
第二次世界大戦の日本海軍は大艦巨砲主義に固執して敗北した。しかし、本作品からは機動力重視の発想が娯楽作品にも広まっていることが分かる。「アメリカあたりではまだせっせと巡洋戦艦を造るのに夢中だが、此方はひと足お先に逆手をいっているのさ」との台詞まである(95頁)。どうして大艦巨砲主義に陥ってしまったのだろうか。それとも少年向け娯楽作品だから機動力という新たな傾向に前向きで、軍上層部は古い考えのままなのだろうか。
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【2019/03/17 23:37 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
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