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大統領候補の犯罪
ダグラス・カイカー著、後藤安彦訳『大統領候補の犯罪』(新潮文庫)は現代のアメリカ合衆国を舞台としたミステリー小説である。主人公はフリーのジャーナリストである。大統領候補の記事を書く計画があったが、女性の水死事件に遭遇する。この事件は大統領候補と関係があるらしい。
本書にはワシントンの政界、社交界の裏話的な話題が登場する。ワシントンの社交界の旧家について「穴居生活の時代からアメリカに住み着いている」との表現がある(201頁)。移民の国とされるアメリカでも、このような表現があることが興味深い。
ワシントン社交界の生活も描かれる。「みんな同じダンスの個人教授に通い、同じワルツ・グループに所属してる」「子どもたちをみんな同じ私立の学校に通わせてる」「礼拝にいく教会までが同じ」(204頁)。しかも、そこはセレブのボスの独裁社会である。「どこで衣類を買うかも、ヘア・スタイルを誰に整えさせるかも、どこで昼食を食べるかも、みんな彼女が決める」(205頁)。
上流階級の生活は何と貧しく下らないものかと心底から感じた。「立って半畳、寝て一畳」の境地は決して痩せ我慢ではない。
ミステリーとしては『大統領候補の犯罪』とのタイトルにネタバレ感があり、前半は興が削がれる。しかし、後半で意外な方向転換が行われ、さらなるどんでん返しで「タイトルに偽りなし」のラストに収斂する。
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【2013/03/26 00:50 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
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