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林田力書評・忘却の声
#書評 林田力書評。『忘却の声』は認知症の高齢女性ジェニファーを主人公としたミステリー小説である。主人公の独白とノートに書き付けたメモ、介護人や子どもが記したメモから物語が進む。
親友のアマンダが殺害された。主人公には記憶がないが、状況は怪しい。主人公を認知症としており、彼女を視点人物としているため、読者にも断片的な情報しか入らない。ミステリーの構成として巧みである。
主人公は外科医であったが、認知症を患う現在の状況はヒヤヒヤものである。物語の前半はミステリーの真相よりも主人公が安全かつ詐欺師に騙されずに生活を送れるかという点に関心が向いた。日本では東急百貨店が認知症女性に洋服など一千万円以上も次々販売する事件が起きた(林田力『東急百貨店だまし売り』アマゾンKindle)。本書を読めば、それが十分に起こりうることであると理解できる。
話の本筋との関連性は低いが、東京電力福島第一原発事故を経験した日本人には見過ごせない記述があった。原子力発電所が近くの州立公園の湖に余熱を排出している。ピクニックに出かけた二組の夫婦は「湖の水がなまぬるいことでジョークをいい、突然変異した魚ややけに大きい水辺の鳥たちを笑いの種にする」(253頁)。
日本では福島の農家を人殺しと罵倒し、規格外イチゴを放射能の突然変異と大騒ぎする放射脳カルトへの反感が高まっている(林田力『放射脳カルトと貧困ビジネス』アマゾンKindle)。このような記述からも放射脳カルトの異常性を再確認させられる。
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【2014/08/05 21:04 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
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