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輝天炎上
#小説 #書評 #ミステリー #レビュー
海堂尊『輝天炎上』は桜宮サーガの一作である。主要な視点人物は天馬大吉である。落ちこぼれ留年男子学生が何故か美少女優等生に意識され、しかも当人は、それを最初迷惑がるというラノベ的な展開で始まる。後半は過去作品の登場人物の意外な生存や意外な関係に驚かされ、あっという間に読み終わってしまった。
AIによって死因究明は格段に進歩する。しかし、それによって既得権益を奪われる法医学者や警察は抵抗し、中々普及しない。これが物語の背後にある社会的な対立構造である。この既得権益擁護の守旧派の抵抗は重要な問題である。但し、本書がエンターテイメント作品として面白いところは、敵役が既得権益擁護勢力の手先としてではなく、私憤・私怨で復讐を進めていることである。これによって物語が生き生きしてくる。怒りが行動の強固な原動力になることは、東急不動産だまし売り被害者として実感できることである(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』ロゴス社)。復讐心に突き動かされた敵役に比べれば、官僚などの既得権益擁護者は敵役としても小物である。
本書の中で彦根が語るように唯一絶対の真実がある訳ではない。視点が異なれば認識も変わる。天馬からは田口公平が自己顕示欲が強そうに見えることが面白い。
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【2015/05/19 20:21 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
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