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怪盗ニック全仕事5
『怪盗ニック全仕事5』は価値のないものだけを盗む怪盗ニック・ヴェルベットの短編集の5冊目である。5冊目ともなると主人公も年をとり、アクションは向かない体になった。作品内でキャラクターが年をとっていく点はアガサ・クリスティのポワロやミス・マープルと共通する。日本のサザエさんやドラえもんとは異なる。
5冊目ともなると依頼に応じて盗むだけではないパターンも出てくる。警察に協力する形になった話は評価が分かれるだろう。アウトローの魅力は警察権力に与しないところにあるからである。
英米のミステリー作品を読むと感じることは、被疑者の人権が尊重されていることである。本書では被疑者の要望を尊重して、弁護士ではなく、フリーのコンサルタントを名乗る人物が被疑者との接見が認められている(「レオポルド警部のバッジを盗め」117頁)。取り調べは弁護士同席の上、録画されている(「サンタの付けひげを盗め」228頁)。
被疑者の人権尊重は警察が冤罪を作り出すことを自覚しているためである。本書には「警察は罪を負わせる男がすぐに必要なんです」との台詞がある(「サンタの付けひげを盗め」224頁)。
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【2018/05/11 19:57 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
深川安楽亭
山本周五郎『深川安楽亭』は時代小説の短編集である。さいたま市立桜図書館で借りて読んだ。表題作「深川安楽亭」は異色の作品である。会話文が多く、物語の流れが見えにくい。
深川や木場など江東区に馴染みの地名が登場する。運河が縦横に走っており、水運の拠点であったことをうかがわせる。
最初の短編「内蔵允留守」は中学校の国語の教科書に掲載されていた。道を究めるということが、戦後の高度経済成長やバブルのような拡大路線とは異なることを教えてくれた作品である。中学生が全てを理解できるものではないとしても、それでも衝撃を与えた作品である。学校の授業は無意味ではないと感じさせる。国語という科目名では無味乾燥としたイメージになるが、文学の授業とすれば豊かになるだろう。
次の短編「蜜柑」は徳川御三家の紀州和歌山藩が舞台である。蜜柑は和歌山の名産であるが、紀州藩が育成した産業であった。
紀州藩は時代劇では幕府転覆を企む悪役として描かれることもあるが、ここでは南海の鎮の面目躍如である。そして内蔵允留守ほどではないが、華々しい活躍よりも地味なところに価値を見出だすものがある。
【2018/05/07 20:17 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
ブラックペアン第3話
渡海は過去二回のスナイプ手術で起きた問題を、これからスナイプ手術を受ける患者に説明した。不利益事実を説明する点で東急不動産だまし売り裁判原告として高く評価する。不都合な事実を隠した騙しには吐き気がするほど怒りがこみ上げる。
患者への説明責任を果たす渡海であるが、同僚への説明は乏しい。もう少し丁寧に説明したら、円滑に進むと思わないこともないが、それも良い。働き方改革で無駄な仕事の撲滅が求められているが、無駄な仕事の多くは会議時間である。逆に働き方改革の抵抗勢力がコミュニケーションを強調して、密なコミュニケーションさえあれば解決すると考える傾向がある。この点でも渡海はCOOLである。
前クールのドラマ『刑事専門弁護士』では様々な料理が登場した。ブラックペアンでは様々な産地の米が登場する。3話では埼玉県産の米であった。料理は卵かけご飯一本槍である。卵かけご飯の消費が増えるのではないか。主人公が三ツ星レストランを有り難がるのではなく、粗食を楽しむタイプであることは清々しい。
今回は第1話と第2話の血がプシューのような心臓に悪いシーンはないもののが、手術シーンは息もつかせぬ展開であった。どぎついシーンがなくても視聴者をドキドキさせる。
【2018/05/07 08:03 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
しびらきマーケット
さいたま市桜区の、しびらきファームいちご園で、しびらきマーケットが開催されました。鯉のぼりが飾られていました。
私は紅ほのかとメロンパン、はちみつバターパンを買いました。もぎたてのイチゴは温かく、甘いです。パンは蜂蜜などで甘さを出しており、上品な甘さです。
子ども向けキャラクターグッズでは、アンパンマンが目立ちました。私の子どもの頃は、アンパンマンは絵本の存在であり、エンタメの印象は乏しかったです。今の子どもにアンパンマンが大人気なところを見ると世代を感じます。
アンパンマンのマーチは頭の中でリフレインされる曲です。実は「みんなの未来(あした)を守る会」という団体名を聞いた時にアンパンマンのマーチの「みんなの夢守るため」を連想しました。
私の子どもの頃から変わらないキャラクターと言えば、ドラえもんです。ドラえもんの大きな人形もありました。浦和らしく、サッカーボールを持っているドラえもんもいました。
【2018/05/06 12:29 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
七時間半
獅子文六『七時間半』は特急列車を舞台としたドタバタ大衆小説である。東海道新幹線ができる前、東京から大阪まで七時間半かかっていた時代である。
乗務員や乗客の恋模様が中心であるが、乗客の総理大臣を狙って全学連トロツキストが爆弾を仕掛けたとの噂が広がる。戦後昭和の風俗を反映した作品である。全学連トロツキストの噂も当時の風俗の反映であるが、作品内での存在感は小さい。存在感はスリ以下である。それは、そのまま当時の人々の感覚になるだろう。
本書の乗客は「日米条約なんて、賛成でも、反対でもないんだ、自分の安全保障の方が、忙しくて、あんな問題、どうでもよかったんだ」と語る(273頁)。これは当時の人々の一つの感覚だろう。学生運動家だったシニア世代の回顧談を聞くだけでは偏ったものになる。
本書には強盗資本が伊豆半島を乱開発しているとの説明がある(145頁)。これは東急不動産だまし売り裁判原告として笑った。強盗資本とは強盗慶太の東急グループだろう。
面白さは時代が変わっても通用するが、21世紀の現代と最もギャップがある点は女性の意識だろう。
【2018/05/04 18:47 】 | 林田力wiki | 有り難いご意見(0)
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